南部 光行(なんぶ みつゆき)

南部 光行(なんぶ みつゆき)

🏯 南部光行とは何者か?

~南部氏の祖、甲斐源氏から東北へ繋がる武士団のはじまり~


◆ 基本情報

項目内容
氏名南部光行(なんぶ みつゆき)
生没年永万元年(1165年)頃 ~ 没年不詳(嘉禎2年説:1236年4月25日など複数説あり)
出身甲斐源氏(加賀美遠光の三男)
官職鎮守府将軍、陸奥守(伝)
本拠地甲斐国南部牧(現・山梨県南部町)
所領(伝承)陸奥国糠部郡(現・青森県・岩手県北部)
別称南部三郎光行

⚔ 南部光行の軌跡

🔹 1. 甲斐源氏の名門に生まれる

南部光行は、武田氏の祖・武田信光を兄に持つ、甲斐源氏の名門・加賀美氏の三男として誕生しました。
源頼朝の挙兵(治承4年・1180年)に父・兄と共に参陣し、鎌倉幕府の創設に貢献します。

武田 信光(たけだ のぶみつ)

🔹 2. 「南部」姓の由来

頼朝の功臣として、甲斐国の南部牧を与えられたことから「南部」姓を名乗るようになります。
この南部牧は朝廷の御料牧場でもあり、良馬の産地として有名でした。

🐎 このことが、後の「南部馬」文化にも繋がると言われます。

🔹 3. 奥州進出と伝承

文治5年(1189年)、父と共に奥州藤原氏討伐(奥州合戦)に従軍。
戦功により「陸奥国糠部五郡」を拝領したと南部氏の家伝では伝えられています

ここで「南部氏の祖」として、三戸・八戸などの地に根を下ろしたとされます。

※ただし、これは後世の創作の可能性があり、当時の史料には記録されていません。

🔹 4. 南部一族の広がり

光行の6人の息子たちが、それぞれ分家して南部氏の支流を形成。

息子支流・子孫特記事項
行朝一戸氏岩手県の一戸町の由来にも
実光三戸南部氏宗家として存続
実長八戸氏日蓮聖人を支援(身延山)
朝清七戸氏南部藩の重要な家臣筋
宗清四戸氏
行連九戸氏後の九戸政実の祖先

🧭 地理と影響

  • 南部光行のルーツ:山梨県南部町
  • 子孫の活躍:岩手・青森を中心に展開
  • 江戸時代には盛岡藩(20万石)・八戸藩(2万石)として存続

南部氏は中世~近世を通して、北奥羽最大級の勢力に成長していきます。


📜 南部光行にまつわる小ネタ集

🟡 1. 南部せんべいの起源?

民間伝承では、兵糧として携帯された雑穀せんべいが**「南部せんべい」の元祖**とも。実際の成立は江戸期とされますが、南部氏の軍事文化と結びつけられることも。

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🟡 2. 馬と南部氏の深い関係

南部牧のルーツを持つ光行は、**馬産と深く関わった最初の「南部氏」**とされます。後に「南部馬」は幕府御用達として名を馳せました。

🟡 3. 日蓮聖人との繋がり

三男・実長は、日蓮を身延山に招いた人物としても知られます。
→「身延山久遠寺」の開基として仏教史にも名を刻んでいます。

日蓮聖人

🟡 4. 「糠部五郡」伝承の真相

伝承では光行が糠部五郡(現・青森〜岩手北部)を領したとされますが、これは南北朝期以降に遡って付加された可能性が高いとされています。とはいえ、南部氏の東北での存在感を支える「建国神話」として重要な意味を持ちます。


🪦 伝承と顕彰

  • 墓所:岩手県盛岡市・聖寿禅寺
  • 像・記念施設:山梨県南部町「道の駅なんぶ」には南部三郎光行像あり

🔚 まとめ

南部光行は、甲斐から奥州へのルートを切り拓いた、鎌倉時代初期の開拓武士の象徴とも言える存在です。
その人物像は史実と伝承が混ざり合っているものの、彼が築いた一族が数百年にわたり日本の東北を支配した事実は揺るぎません。

歴史ファンなら一度は訪れてみたい、「南部氏」発祥の地・山梨県南部町と、
彼の名を冠した盛岡・八戸の歴史スポットにも、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか?



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